市原に大井競馬場の新施設 トレセンや厩舎、6~8年で 81万平方メートル用地取得へ 印西・小林牧場は廃止方針

市原市
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 市原市内で、大井競馬場(東京都品川区)の競走馬を調教するトレーニングセンター(トレセン)、厩舎を新たに整備する計画があることが22日、分かった。同競馬場などを所有・管理する「東京都競馬」(多羅尾光睦社長)が、市内に面積で東京ドームおよそ17個分に相当する約81万平方メートルの整備用地を取得する方針を公表した。開業まで6~8年程度を見込む。市も計画を把握。今後、同社側と協議を進めるとしている。開業後は新施設に機能を集約する計画で、現行の「小林牧場」(印西市)を廃止する方針も明らかとなった。

(佐藤大介)

 取得した用地の場所など詳細は同社、市原市とも非公表。取得相手先は国内の一般事業法人という。先週末の東京都競馬の取締役会が取得について決議した。来月に取得契約の締結を予定している。取得価格も相手方との取り決めで非公表とした。

 東京都競馬は、1950年に開業した大井競馬場等の再整備計画を昨年公表の長期経営ビジョン、今月公表の中期経営計画にそれぞれ盛り込んだ。現在の同競馬場内では敷地面積の観点から強い馬づくりに必要な坂路などの新設が制限されるため、場外にトレセンを新設し、併せて更新期を迎える厩舎機能・設備も移転する方針が示されていた。

 同社は、市原市内で取得する用地に整備する施設の詳細は計画・検討を進めているとした上で「千メートル級の坂路や、周回用の馬場、厩舎などを整備する予定」で「現施設にはない調教設備を整え、愛馬を預けたくなる施設」とする方針。

 今後、整備に向けた基本計画を策定。開業時期は「現時点では明言できない」が、「地元行政との調整や設計・施工を行い、6~8年程度はかかるものと想定している」とした。

 市原市を選定した理由は「候補地の土地の形状や広さを比較検討するとともに、大井競馬場からのアクセス性や生活環境などを総合的に勘案した」と説明。「白熱したレースによって大井競馬の面白さを高められるよう、強い馬づくりに資する施設を目指す」とコメントした。

 市原市によると「10月末に東京都競馬側から新トレセン整備に向けた市内進出について相談を受けた」とし、「今後、開発・建設計画について協議を進めていく」としている。

 千葉県内で同社は調教等施設として1965(昭和40)年、印西市に「小林牧場」を整備しているが、市原市の新施設に機能を集約する計画で、完成後は廃止する方針という。

 ◇大井競馬場 戦災復興財源を確保し東京都民に健全な娯楽を提供するため、都と民間が半額ずつ出資して1949年に東京都競馬が設立され、50年5月に開場、第1回大井競馬が開催された。都心に立地する地方競馬最大規模の競馬場で、ハイセイコーなど名馬を輩出。「東京シティ競馬」の愛称でダート競馬最高峰のレースが行われている。86年には日本初のナイター競馬「トゥインクルレース」が開催された。同社は現在、都と特別区競馬組合が主要株主となっている。(東京都競馬ホームページから)


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