


大多喜町で12日、秋恒例のイベント「大多喜お城まつり」(実行委員会主催)が開かれ、目玉の「武者行列」で甲冑(かっちゅう)姿の武者らの一行が城周辺を練り歩いた。大多喜城主だった武将・本多忠勝の役を県立大多喜高校出身のタレントの渡辺正行さん(69)が今年も務め上げ、イベントを盛り上げた。(橋本ひとみ)
まつりは現在の大多喜城(県立中央博物館大多喜城分館。改修休館中)の建設を記念し、1975年に始まった。雨の降る中、武者行列には公募で集まった人や地元の子どもらの約100人が参加。城内での出陣式で全員で「エイ、エイ、オー」と威勢良く声を上げ、鉄砲隊による号砲がとどろき出発した。
主役となる忠勝役の渡辺さんは鹿の角をあしらったかぶとをかぶり、馬上から沿道の見物人に手を振るなどして喜ばせた。軍奉行役はものまね芸人の沙羅さんが務めた。旗持ちや子ども武者、姫君などが連なった一行はメーン会場のB&G海洋センター野球場まで約900メートルを進み、凱旋(がいせん)式に臨んだ。
武者行列に参加した町出身で都内在住の女性(55)は「毎年参加を楽しみにしている。雨のため少し歩きにくかったけど、凱旋式は雨がやんだのでよかった」と振り返った。
今年は、隣接する勝浦市で毎年行われ、400年以上の歴史があるとされる「鵜原の大名行列」が21年ぶりに参加した。大名行列の式具は、大多喜城主だった本多忠朝(忠勝の次男)から拝領したものと伝わる縁がある。
まつりは雨の影響で11日の前夜祭を中止し、12日のプログラムを一部変更した。





