四街道から「世界一」へ 二輪プロレーサー 山中琉聖(20) 【Chiba Sports ファイター】(135)

「将来は世界一をとりたい」と語る山中琉聖=佐倉市のEVERFiT24うすい店
「将来は世界一をとりたい」と語る山中琉聖=佐倉市のEVERFiT24うすい店
オートバイ世界選手権シリーズ、モト3クラスで走行する山中琉聖=2021年、ドイツ(本人提供)
オートバイ世界選手権シリーズ、モト3クラスで走行する山中琉聖=2021年、ドイツ(本人提供)

 欧州では「サッカーを上回る人気」という説もあるオートバイの世界選手権シリーズ。3つのクラスの最高峰モトGPで活躍する中上貴晶ら、千葉県は数々のライダーを輩出してきた。新進気鋭の若武者がまた一人。四街道から「世界一」を目指し、モト3に参戦を続ける。

 新型コロナウイルスや両肩骨折などけがに振り回されつつも、2021年は最高7位。手応えをつかんだシーズンでもあった。幼少期から培った負けん気の強さがあり「本番に強い方。絶対追い付いてやると燃えるタイプ」と自己分析。粘りと度胸も兼ね備える。

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 4歳年上の兄を追い、千葉北ポケバイコースに通い詰めた。当時まだ3歳。「自転車感覚で乗れた」と一番最初はガソリン切れを起こすほど乗り回した。07年、5歳で全日本ポケバイ選手権初優勝。小学校入学後の10年には2冠を達成した。やがてミニバイクへと移行。学校が終われば「10分、15分でも良い」と親にねだりサーキットへ直行。二輪に乗らない日はなかった。

 小学校高学年時に伸び悩み、ゴルフや野球などを始める「休養期間」を挟んだ。「好きなことをいろいろやったからかは分からないが、どんどん成績が良くなった」と14年にバイクの国別対抗選考会で優勝。翌年に千人中8人のみが選ばれるアジアタレントカップに参戦した。中学生で「世界一を目指し戦う覚悟を決めた」。

 オートバイ世界選手権に向けた道を順調に進み、若手の登竜門「レッドブルルーキーズカップ」でも頂点に。今度は2千人から8人と狭き門を突破し臨んだジュニア世界選手権で優勝。「人生で間違いなく一番うれしい瞬間」だった。19年に世界選手権モト3クラスへ進み、20年からフル参戦が始まった。

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 ジュニア時代とは次元が違う。全員が厳しい競争を勝ち抜いてきた強者だ。「1位から最下位まで本当にレベル差が少ない。0・5秒遅ければ一気に20位に転落する厳しい世界」。一瞬たりとも気が抜けない極限の世界だ。「始まったら深呼吸もできない。気が緩んだ瞬間に転倒もある命がけのスポーツ。スリリングだし、そこに魅力がある」

 負けられない理由がもう一つある。21年5月。チームメートのジェイソン・デュパスキエがレース中の事故で亡くなった。スイス出身で、下のカテゴリーから苦楽を共にしてきた同い年のホープ。同時期に世界選手権へ昇格した最大のライバルであり、親友だった。

 「ほんの10分前まで一緒にいた。悲しい事故だった。彼の分まで頑張りたいし2人で目指してきた世界一に絶対なる」と決意。「来年にはモト2に上がりたい。そのためにも今季は勝負の年になる」。1月に成人式も迎え、少し大人の顔つきになった。四街道から世界の頂へ。アクセルを全開に、一直線で突っ走る。(小川洋平)

◆スポンサー募集

 新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、山中琉聖はスポンサー減少に頭を抱えている。「一緒に世界一を目指してくださる方を募集しています」と呼び掛けた。問い合わせは山中のホームページ(www.ryuseiyamanaka.com)から。

◇やまなか・りゅうせい 2001年11月6日生まれ。四街道市出身。同市立八木原小-千代田中出。3歳でポケバイを始め07年に全日本ポケバイ選手権初優勝。20年からオートバイの世界選手権シリーズ、モト3クラスにフル参戦し最高9位。21年は同7位。今季は新規参入チーム「MTヘルメット-MSIレース・テック」で戦う。趣味はスノボー、サーフィンなど。好物は寿司。シーズン中はスペイン・バルセロナが拠点。身長172センチ、体重59キロ。


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