美咲さん捜し続け2年7カ月 母とも子さん「生まれてくれて感謝」 13日10回目の誕生日

小倉美咲さんの情報提供を呼びかける母のとも子さん=2020年10月、成田市
小倉美咲さんの情報提供を呼びかける母のとも子さん=2020年10月、成田市
7歳の誕生日祝いに東京ディズニーランドで遊ぶ美咲さん=2019年5月(家族提供)
7歳の誕生日祝いに東京ディズニーランドで遊ぶ美咲さん=2019年5月(家族提供)
(共同)
(共同)

 2019年9月21日に山梨県道志村のキャンプ場で行方不明になった成田市の小学生、小倉美咲さん。13日、10回目の誕生日を迎えた。「無事に戻った美咲を一日も早く抱きしめてあげたい」。不明から約2年7カ月の間、母親のとも子さん(39)は現地と自宅を何度も往復し、わが子を捜し続けた。「娘のことを知ってもらうために」と節目ごとに取材にも応じてきた。

 自宅リビングには美咲さんと姉の写真がたくさん飾られている。「子どもたちの笑顔がすごく好き」と、とも子さんが日々の成長を撮りためてきた。動物好きだった美咲さんは一緒に暮らす犬たちを大事にしていた。「動物とも人とも仲良くできる優しい子」。“妹”のようにかわいがっていた白いポメラニアン「はっち」は美咲さんに一番なついていた。

 同級生より背が高く、運動が得意だった美咲さん。行方が分からなくなるキャンプの数日後に控えていた運動会ではリレーの選手に選ばれた。とも子さんはダンスの発表も楽しみにしていた。美咲さんは「ママ見ないで!」と自室でこっそり練習していたという。

 美咲さんは学校も大好き。ベージュのランドセルを背負って楽しそうに通った。とも子さんは、読む本が絵本から文字の多い本に変わっていく様子を見て成長を感じた。「なんでも吸収して、楽しく学ぼうとしてた」。「仲の良い同級生たちと一緒に授業を早く受けさせたい」という強い思いがとも子さんの活動を支えた。

 誕生日までに、季節が変わるまでに、9月21日になるまでに…。とも子さんはさまざまな節目を迎えるまでに美咲さんを見つけようと動いた。何度も自宅からキャンプ場まで車を走らせ、わずかな手がかりでもとチラシを配って情報提供を呼び掛けた。成田の参道や都内にも出向き、一日で2千枚を配る日もあった。

 一方、SNS上で誹謗(ひぼう)中傷を受け、自宅前に不審者が来ることもあった。恐怖心はあったが「娘に会うために」と活動をやめなかった。協力の輪も広がり、チラシは全国各地に掲示された。不明になったキャンプ場周辺にも多くのボランティアが駆け付け、美咲さんを捜索。12日にとも子さんと「広く親族関係にある人物」と鑑定された人骨を4月下旬に見つけたのも、そんなボランティアの1人だったという。

 とも子さんは娘たちの誕生日を特に大切にし、浦安市の東京ディズニーランドに毎年連れて行き、スタジオで写真を撮影してもらってきた。10回目の誕生日を迎えても美咲さんは不在のまま。とも子さんは以前の取材に「美咲がこの世に生まれてきてくれたことを感謝している。美咲のことを応援してくれる全ての方にも感謝している」と話し、深く頭を下げた。


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