家ごとのまれ窓も開かず… 佐倉の土砂崩れ100件超 【房総豪雨】

記録的豪雨で崖崩れがあった住宅街。土砂や倒木が流れ込み住宅の1階部分を押しつぶした=3日午前11時55分ごろ、佐倉市城内町
記録的豪雨で崖崩れがあった住宅街。土砂や倒木が流れ込み住宅の1階部分を押しつぶした=3日午前11時55分ごろ、佐倉市城内町

 10月25日の記録的豪雨で、大規模な浸水被害があった佐倉市では、土砂災害も100件以上発生した。家屋が押しつぶされた箇所もあり、住民らは「また崩れるかも」「大雨が怖い」と不安を募らせている。

 市のホームページなどによると、31日時点で市内の土砂崩れは計110件(道路など76件、民有地34件)、崖崩れによる家屋被害は10棟に及ぶという。

 夫(82)を迎えに来た介護サービスの車を見送り、1階の居間にいた城内町の伊東浩子さん(80)は、突然の大きな音にはっとした。「ドーンと音がし、ものすごい泥水が流れてきた」。自宅脇の崖が崩れ、フェンスや庭の植木をなぎ倒し1階部分をのみ込んだ。

 「玄関も窓も開かなくなり、閉じ込められた。電気も止まった」。自力脱出は困難で消防や市役所とは連絡が取れない。横浜市に住む娘の宮川智子さん(52)と電話がつながり、約2時間後、レスキュー隊に救助された。千葉市に住む身内の家に身を寄せている伊東さんは「慣れ親しんだ場所なので、またここで暮らしたい」と胸の内を明かした。

 住民らによると、隣接する城址公園の駐車場にたまった雨水があふれ、一気に崖下に流れ込んだという。伊東さんの弟で、災害関連の仕事も担う佐瀬哲雄さん(73)は「度重なる台風などで雨量が増え、駐車場の排水機能が低下していたのでは」と推察する。

 自宅2階で崩落の瞬間を見ていた山岡久男さん(71)、ハツエさん(70)夫婦は「ゴォーという地鳴りのような音とともに泥水が流れてきて、大きな樹木とかもなぎ倒し、土砂が押し寄せてきた」と振り返る。

 現在も崩れ落ちた斜面には、根がむき出しになった巨木がある。伊東さんは「次に何かあったら自宅に倒れてくるかもしれない」と危機感を強め、山岡さんも「安全が保証できない今の状況なら怖くて、とても住めない」と打ち明けた。


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