片付け「いつまで」 市原竜巻現場、のしかかる修復費 【台風19号1週間】

竜巻で全壊した家の片付けをする住民ら=19日午後1時5分ごろ、市原市永吉
竜巻で全壊した家の片付けをする住民ら=19日午後1時5分ごろ、市原市永吉

 竜巻の発生によって多くの家屋が損壊し、死傷者が出た市原市。台風19号の上陸から1週間がたった19日も、住民らはがれきの撤去作業に追われた。冷たい雨も降る中、「いつになったら片付けが終わるのか」「家の修復にかける経済的余裕がない」。住民は暗い空を恨めしげににらむ。

 同市永吉地区で暮らしていた建築業、鑓田康裕さん(66)は竜巻通過後、毎日のようにがれきの撤去作業に汗を流している。「自然災害だから仕方ない」と現実を受け入れつつも「片付けにはまだまだ時間がかかりそう」。

 竜巻直撃の日、自宅には孫のひなのさん(8)らが遊びに来ていたという。ひなのさんの母で主婦のあすかさん(28)=同市=によると、ひなのさんや兄弟ら3人は「大きなけがはなかったが、救急隊員が助けに来るまでの約10分間、タンスの下敷きになった」という。

 毎週末、祖父の家に泊まりに行くのを楽しみにしていたひなのさん。鑓田さんは「今は家族がいてくれるので助かる。元通りになるには時間がかかると思うが、なんとかやっていきたい」を自らを奮い立たせる。

 同市の無職、高浦英一さん(70)は、同地区の姉の家が竜巻により屋根や外壁が倒壊した。「ボランティアが家に来てくれたので、がれきは大分片付いた」とほっとした表情。一方で「自然災害の怖さを改めて感じた。一瞬で家が壊れるなんて思ってもいなかった」と肩を落とす。

 倒壊した家で同居していたパートの大橋多美子さん(43)には、生まれつき足が不自由で知的障害のある小学6年の息子がいる。子どもの世話するため長時間の勤務は難しい。「周囲の応援もあるけど、経済的にきつい現状は避けられない」と先行きに不安は隠せない。

 19日未明の雨で、家の骨組みが痛んでいるところもある。「多少は建て直さないといけないが、経済的にも負担が大きく、すべてを直せるかは分からない」。高浦さんは、変わり果てた姉の家を見つめながら力なく話した。


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