定員オーバーの避難所も 「家なくなる」募る不安 【台風19号】

一部の避難所では、住民が食料を求めて長蛇の列ができた=12日午後0時20分ごろ、館山市コミュニティセンター
一部の避難所では、住民が食料を求めて長蛇の列ができた=12日午後0時20分ごろ、館山市コミュニティセンター

 台風15号で家屋などが甚大な被害を受けた安房地域では12日、19号の来襲で多くの住民が避難所に身を寄せた。館山市は一部の避難所で定員を超える避難者が出たため、新たに県有施設や小学校を開放。度重なる大きな災害に、住民からは「家がなくなってしまうのでは」と不安な声が相次いだ。

 市の中心部に位置するコミュニティセンターには、同日午前10時時点で300世帯554人が避難。和室や集会室など1階から3階までのほぼすべての部屋が避難者で埋まり、通路にまで人があふれた。昼過ぎには、住民が食料を求めて長蛇の列を作った。

 室内に入りきれず、通路に座っていた同市の丸茂静子さん(70)は「15号の時は被害を受けなかったけど、テレビで避難勧告が出たことを知り、慌てて避難した。暑いけど、みんながいると心強い。早く通り過ぎてほしい」と話した。

 同センターの定員オーバーを受け、新たな避難所として開放された県南総文化ホールにも、多くの家族連れらが詰めかけた。台風15号の影響で自宅の屋根が吹き飛んだ鈴木洋子さん(77)は「15号の時は避難しなかったけど、子どもがあまりにも心配するから来た。帰ったら家がなくなってるかもしれないけど、しょうがない」と気丈に振る舞っていた。

 台風15号で市内全域が停電となるなど大きな影響が出た八街市でも、住民らが食料や毛布などを抱え続々と避難所に。妻と長女家族の計5人で市中央公民館に避難した納富貞弥さん(75)は「15号の時は避難しなかったが、今回は強い台風と報道されているので心配で来た。とりあえず1泊する」。長女の高橋友理さん(46)は「農業の夫は野菜が心配で自宅に残った。築年数が経過している自宅も心配。最小限の被害で済めばいいのだが」と表情を曇らせた。

 市川市の行徳公民館には正午までに、想定の50人を上回る約140人が避難。飯倉千鶴さん(43)は子ども3人と避難所に来た。「子どもがいるので夜中に避難はできない」と早めに備えた。生後5か月の子どもを連れて避難した田中亜里紗さん(27)は「停電などでミルクが沸かせないと困るので早めに避難した」と不安そうに話した。


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