驚き、喜びの関係者 千葉県内にもゆかりの地 佐倉市は副読本に梅子 紙幣刷新

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佐倉市教委が製作した副読本
佐倉市教委が製作した副読本
津田梅子と仙をテーマに佐倉市で開かれた講演会で登壇した津田塾大学の高橋裕子学長=2017年3月12日
津田梅子と仙をテーマに佐倉市で開かれた講演会で登壇した津田塾大学の高橋裕子学長=2017年3月12日

 新紙幣のデザインが9日発表され、“お札の新しい顔”が明らかになった。5千円札の肖像画になる津田梅子は、佐倉藩出身の農学者を父に持つ本県とゆかりが深い人物。1万円札の渋沢栄一、千円札の北里柴三郎も県内に“足跡”を残しており、千葉県と縁がある3者が採用され県内関係者は驚きと喜びの声を上げた。

◆身近な存在

 佐倉市では、梅子と父親の仙の功績を学ぶ市民講座が開かれ、小学校の道徳教材として取り上げるなど、市民にとって梅子は身近な存在だ。

 市教委が作った副読本の低学年向けページで梅子を紹介。幼くして日本初の女子留学生として渡米し苦難を乗り越えた経験を題材に、子どもたちが梅子の考えを学び、地元ゆかりの偉人として郷土に誇りを持ってもらうことが目的だという。

 梅子が帰国後に津田塾大学の前身、女子英学塾を開校したことから、市と大学は2017年9月、主に教育分野で連携協定を締結。昨年12月に「女性の社会進出」をテーマにしたシンポジウムを行うなど、研究者らが市内の学校や公民館に出向いて津田親子についての講演を定期的に開いている。

 津田家の研究をしている同市の男性(60)は、梅子について「お札になるほどの功績がある。女性活躍を目指す時代に合っている」と、新紙幣への採用を手放しで喜んだ。

 蕨和雄市長は「市ゆかりの偉人が選ばれ大変うれしく思っている。津田塾大と連携協定も結んでおり、これを機会に同大の佐倉回帰も含め地域活性化の弾みとなるようにさまざまな形で取り組んでいきたい」とするコメントを出した。

◆館山に養護施設

 1万円札の渋沢栄一は、500以上の企業などの創設に関わったとされ、館山市船形にある児童養護施設「東京都船形学園」もその一つ。

 同園によると、1909(明治42)年5月に設置された前身施設の初代院長を渋沢が務めた。雨谷真人園長(42)は「(渋沢の)意思と伝統を受け継いで、社会的役割を果たしていきたい」と、気を引き締めるように話した。

 県によると、渋沢は現在の横芝光町出身で江戸時代後期の儒学者、海保漁村が開いた私塾「伝経廬(でんけいろ)」で学んだ。また、明治初期の印旛沼開発計画の事業者にも名を連ねた(農林水産省関東農政局印旛沼二期農業水利事業所より)。

 千円札の北里柴三郎については、柏市大山台に1961年、北里研究所付属家畜衛生研究所が開設。現在は移転し、跡地は商業施設になっている。

 市は報道を通じて北里との関連を知り、「新紙幣のことは人ごとのように聞いていたので(ゆかりがあったとは)驚いている」と担当者。情報集めに追われた。