ワクチン不足、混乱 接種できず、助成延長も 千葉県内インフル流行入り

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インフルエンザの予防接種を受ける女性(左)=千葉市中央区の長谷川胃腸科クリニック

 インフルエンザ予防接種の希望者に対し、ワクチン不足によって応じられず、医療機関で混乱が続いている。ワクチン株の決定時期が遅れ、製造も例年より1カ月後ろ倒しになったのが原因。一部自治体では、高齢者予防接種の助成期間を延長するなど混乱が広がらないよう措置。厚生労働省は「しばらくすれば昨年と同程度の接種は可能」と呼び掛ける。一方、千葉県は29日、インフルエンザの流行シーズン入りを発表した。

 「ここまでワクチンが足りないのは初めて。流行を迎えるのに困る」

 千葉市中央区の長谷川胃腸科クリニックの長谷川利弘医院長(72)は困惑する。同クリニックでは、一日何件ものインフルエンザ予防接種の問い合わせを受けるが、現在入荷の見通しはなく接種を断る状況。29日に残り1本のワクチンを接種できた主婦(68)=同区=は「毎年接種しているが、例年以上に待たされた。やっと打てて良かった」と安心した表情を見せた。

 原因は、今季のワクチン株決定の遅れ。製造も1カ月程度遅れた。厚労省は9月、本年度のワクチン供給量は昨年より約10%減の2528万本と推計。最新の供給見込みは2634万本と増加したが、同省は都道府県に対し13歳以上の接種は原則1回に抑えるよう通知している。

 こうした中、県内の一部自治体では、高齢者へのインフルエンザ予防接種の助成期間を、例年より1カ月延ばすなど対応。同省担当者は「供給は例年、11月下旬で終わるが、今季は12月まで続く。すぐに接種できないかもしれないが、もう少し待ってもらえれば」と呼び掛けている。

◆ピークは1月下旬か

 県は29日、県内でインフルエンザが流行期に入ったと発表した。昨季より1週間遅い。

 県疾病対策課によると、26日までの1週間に、県内医療機関(小児科・内科計215カ所)から報告された1医療機関当たり患者数は1・45人。流行入りの目安となる1を今季初めて超えた。

 検出されたウイルスは8割がA型。患者は10~14歳が20%、7歳が11%を占め、小中学生が目立つ。印旛、香取、船橋市の保健所管内の小学校で1校ずつ学級閉鎖があった。地域別では、松戸と船橋市の保健所管内で増えている。

 昨季は、1月16日からの1週間で1医療機関当たり患者数が最も多い37・9人を記録した。1週間遅れで流行入りした今季は、1月下旬にかけてピークが予想される。

 県は外出後の手洗い、加湿器などで適度な湿度の保持、十分な休養と栄養の摂取など、身の回りからできる対策を呼び掛ける。