「思い出消したかった」 元交際女性両親宅放火の被告が犯行動機 千葉地裁

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 千葉市内の民家で1月、外壁などが焼けた火災で、交際していた女性の両親宅に放火したとして現住建造物等放火罪に問われた同市花見川区、無職、大石絵梨紗被告(24)の裁判員裁判は8日、千葉地裁(市川太志裁判長)で被告人質問などが行われた。大石被告は犯行の動機について「思い出を消してすっきりしたかった」と説明した。

 大石被告は「高校生か専門学生のころに性同一性障害の言葉を知り、社会人になって2015年の秋ごろ医者に診断された」と明かした。女性からは「自信を持って男性と思っている」と伝えられ「受け止めてくれていることがうれしかった」と振り返った。

 女性の両親らと話し合い、別れ話をされた後、女性の父親から電話で「もう女性と会わせないと言われ、自分の気持ちが追い付かなくなった」と心情を吐露。犯行について「間違った判断だった。取り返しの付かないことをやってしまった」と涙をぬぐい「多くの人を裏切ってしまった」と悔やんだ。

 この日は大石被告の母親も出廷。娘を前に「小さいころから男っぽかった」とした一方、性同一性障害かどうかは疑わなかったという。大石被告から女性との結婚を真剣に考えていると伝えられ「正直、本当に戸惑った。娘は真剣な気持ちを私に伝えたが、どうしていいか分からなかった」と明かした。事件を起こしてしまったことについて「(性同一性障害を)カミングアウトできず、一人で抱え込んでしまった。気付けなかったのがとても悔しい」と悔やみ「カミングアウトしただけでもショックだったと思う。深い傷を娘も負った。今後は近くでサポートしていきたい」と誓った。