一度入ったら戻れない!? 「八幡の藪知らず」歴史紹介 市川歴史博物館で企画展

水戸黄門が藪知らずに入った様子を描いた浮世絵を拡大した展示品=市川市
水戸黄門が藪知らずに入った様子を描いた浮世絵を拡大した展示品=市川市
市川市役所新庁舎前にある通称「八幡の藪知らず」
市川市役所新庁舎前にある通称「八幡の藪知らず」

 市川市堀之内の市立市川歴史博物館で、企画展「葛飾八幡宮と八幡の藪(やぶ)知らず」が開かれている。一度足を踏み入れたら戻れないと伝わる藪知らずや、平安時代の創建と伝わる葛飾八幡宮に関わる資料を通して、八幡地区周辺の歴史や伝承などを知ることができる。

 市川市役所の新庁舎近くに鎮座する葛飾八幡宮。近くには八幡の藪知らずもあり、発展著しい都市の中で独特の雰囲気を醸し出している。

 同館によると、藪知らずが人々に知られるようになったのは江戸時代以降に出版された地誌や日記などで紹介されてから。「入ったら二度と出られない」と言われ、水戸黄門がうわさの真偽を確かめようと足を踏み入れたとの逸話もあり、伝説や物語の舞台として語り継がれている。

 今回の企画展では、藪知らずが描かれた「江戸名所図会」や、水戸黄門が藪に入った際に神々の怒りに触れた様子を表した浮世絵などを公開。神仏習合で葛飾八幡宮に寺が並立していたことが分かる境内図もあり、同館の学芸員は「神仏分離政策を行った水戸黄門に対してその不満から藪知らずの話につながったのでは」と推測している。

 物語の舞台として登場する藪知らずだが、一般に写真はあまり残っていない。企画展は貴重な写真絵はがきなどを展示。時代ごとの藪知らずが分かり、明治末期から大正にかけて茶屋が写っている写真もあり、恐れられつつ多くの人に親しまれていた様子がうかがわれる。

 他にも境内の石碑や、市域の歴史を紹介しており、同学芸員は「八幡の歴史の一幕を通じて、市川市への関心を深めてほしい」と期待している。

 会期は5月9日まで。午前9時~午後4時半。入場無料。問い合わせは同館(電話)047(373)6351。


  • LINEで送る