2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

「千葉発祥の地」でアートと歴史堪能 亥鼻山の彫刻・石碑 (千葉市中央区) 【千葉まちなかアート】

カラスの強い生命力を伝える柳原義達「道標」。経年劣化した様子が作品に凄みを与えている
カラスの強い生命力を伝える柳原義達「道標」。経年劣化した様子が作品に凄みを与えている
荻原守衛「女」は、上を見上げる裸婦の姿が耽美な雰囲気を放つ
荻原守衛「女」は、上を見上げる裸婦の姿が耽美な雰囲気を放つ

 県文化会館を核に文化施設が集まる亥鼻山(千葉市中央区)には、有名彫刻家が手掛けた屋外彫刻や石碑が点在。木々に囲まれた自然の中を散策しながら、アートと歴史を堪能できる。

 同会館の西側玄関前の広場で目を引くのは、カラスをモチーフにしたブロンズ像「道標」。柳原義達(1910~2004年)の著名なシリーズ作品で、荒々しく形作られた体や存在感のあるくちばしには、野鳥ならではの生命力の強さがみなぎる。風雨にさらされ経年劣化も激しいが、かえって命の凄みが強調されて見えるから不思議だ。

 階段を上って庭園に出ると、耽美(たんび)な雰囲気にあふれた膝立ち姿の裸婦像に出合う。これはロダンの影響を強く受けた荻原守衛(1879~1910年)の最晩年の作品「女」(10年)。東京国立博物館所蔵の原型は国の重要文化財に指定されている。なお、台座は千葉大教育学部跡記念碑で、この地が同学部の創設の地であったことを伝える。

 庭園には佐藤忠良(1912~2011年)のブロンズ像「女・夏」、同じく佐藤作品で教育関係者の慰霊碑「教育塔」と一体となった「冬の子供」もある。

 隣接する亥鼻公園に抜けると、小田原城をモデルにした市郷土博物館の傍らで、この地に居城を構えた千葉氏の中興の祖、常胤の騎馬像が風格を放つ。近くの甘味処で名物の団子とお茶を味わいながら、この文化の薫る地が「千葉発祥の地」でもあることに思いを馳せるのも悪くない。(平口亜土)


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