2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

車に店員乗せ大捕物 2キロ追い掛け万引犯逮捕 東金署、市原の夫婦に感謝状

白昼の大捕物を制し、感謝状を贈られる大沢さん夫妻=3日、東金署
白昼の大捕物を制し、感謝状を贈られる大沢さん夫妻=3日、東金署

 万引犯を追う店員をドライブ中に見つけ、自分の車に乗せて一緒に追跡し取り押さえた市原市の大沢幸治さん(66)、恵美子さん(65)夫妻に、東金署は3日、署長感謝状を贈った。野球で鍛えた身長180センチ、体重92キロの自慢の体格と持ち前の正義感がお手柄につながった。幸治さんは「アドレナリンが全身に吹き出した」とおどけながら当時を振り返った。

 一連の追跡劇の発端は9月24日午後、東金市内の眼鏡店で発生した万引事件だった。客の男(41)が商品の眼鏡(販売価格8500円)を掛けたまま店外に出て自転車で逃走。目撃した店員が走って追い掛けていたところに、夫妻が軽自動車で通り掛かった。

 スーツ姿に鬼の形相で街中を全力疾走する店員の姿に、幸治さんは「おかしいな」とただならぬものを感じた。車を寄せて声を掛けると店員は「泥棒です」と息を切らせ、先を行く自転車を指さした。必死に追うも次第に距離が開いていく状況に幸治さんは「瞬間的にスイッチが入った」という。助手席に店員を乗せ、追跡を始めた。

 犯人は眼鏡を掛けたまま市街地を右へ左へくねくねと逃走し、国道を越え水田の農道へ。そこで幸治さんが車ごと前に回り込み経路をふさぎ、店員と2人で取り押さえた。追跡距離は約2キロに及んだ。

 実は、幸治さんがこうして犯人を捕まえるのは3回目という。格闘技にも明るく「腕っ節には自信があった」という。そんな夫を恵美子さんは「正義感が強い性格」と少し心配そうに見つめる。「(年齢を考慮し)さすがに今度はやめさせます」と冗談っぽく笑った。

 同署刑事課担当者も「こんな事例は初めて」と夫妻の捕物劇に舌を巻く。右田和実署長は「勇気ある行動が地域の安心安全につながった」とねぎらった。


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