江戸歌舞伎を劇場の視点から 座元ら興行側と観客の協働作業 「大いなる小屋近世都市の祝祭空間」服部幸雄著 【故郷の本たちへ 河野良恒】(121)

 テレビ、スマホ、ゲーム機で、たやすく娯楽にアクセスできる現代人と違って、江戸町人にとって一番の楽しみは歌舞伎の観劇だった。幕末の動乱期、蘭方医の娘に生まれた今泉みねが家族そろって浅草猿若町に芝居見物に繰り出した時の胸躍るわくわく感を述べた自伝『名ごりの夢』で言う。

 「きれいな絵巻物でも繰りひろげるような気 ・・・

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