

ユニコーンカラーの髪の毛にカラフルな衣装がトレードマークの「クラウンすみちゃん」。千葉市内のイベントや地域の祭りなどに登場し、ジャグリングやバルーンアートで盛り上げる道化師(クラウン)だ。5歳の設定で「難しいことはわかんない」とおどけた表情を見せる彼女のもう一つの顔は、千葉市役所の職員。「どちらもやりがいがある」と今は“二足のわらじ”を心から楽しんでいるが、実は一時、活動から遠ざかっていた過去があった。その固い封印を解いたのは、とある出来事で発揮した彼女のちょっとした「勇気」だった。(報道部・佐藤楓)
「こちらの書類に記載いただいて―」。普段は、市役所の窓口を訪れた市民に手続きの案内などの業務を担当しているすみちゃん。今年で入庁4年目を迎え、同僚や上司からの信頼も厚い。落ち着いた見た目の至って普通の市職員だが、休日は40分ほどのメークで別人に生まれ変わる。
目と口の周りを白く塗り、大きな赤い鼻を付ける。日本でもおなじみのピエロもクラウンの一種だが、涙を描き悲しい顔をしているピエロではなく、すみちゃんは口角が上がった楽しい顔をしたクラウンで、子どものようなしゃべり方とおとぼけキャラで笑いを誘う。イベントに登場すると、慣れた手つきで風船を膨らませ、あっという間に花や犬の形に。子どもたちに大人気で、すみちゃんの周りには自然と人だかりができる。
◆元来は引っ込み思案
クラウンとしての活動を始めたのは大学生の時。多くの卒業生がプロのクラウンとして活躍していることに引かれ、「ボランティアパフォーマンスサークル」に入ったのがきっかけだった。元来、引っ込み思案で真面目な性格。「道化師をやるサークルを選ぶなんて」と我ながら自分の決断に驚く気持ちもあったが、クラウン姿 ・・・
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