一流画人で新風の漢詩人 家老として藩復領に献身 「蠣崎波響の生涯」中村真一郎著 【故郷の本たちへ河野良恒】(107)

 木更津市の郷土史グループ「至徳堂を知る会」会報で嶺田楓江(ふうこう)の漢詩評訳を続けている。楓江は幕末、単身蝦夷地(北海道)を踏査。ロシアの脅威に対する北辺防備の警鐘を鳴らしたが、一介の貧書生だった楓江がどんな方法でこの大冒険を達成したか不思議だった。

 だが、この胸のつかえは文久年間、楓江が江戸茅場町で蝦夷地を何度 ・・・

【残り 1422文字、写真 1 枚】



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