千葉大が「全員留学」 国際人材育成へ新戦略 20年度から 授業料値上げも検討

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グローバル人材育成のための新戦略について記者会見した徳久学長(中央)ら=24日、千葉市稲毛区の千葉大学西千葉キャンパス
グローバル人材育成のための新戦略について記者会見した徳久学長(中央)ら=24日、千葉市稲毛区の千葉大学西千葉キャンパス

 千葉大学は24日、国際社会で活躍できるグローバル人材の育成に向け、学生の「全員留学」を柱とする2020年度からの新たな戦略プランを発表した。海外の提携校との留学プログラムを増設し、短期の留学を必修化。グローバル化が進む産業界のニーズにも対応する。奨学金制度を新設するなど支援体制を整える一方、必要な財源を確保するため授業料の値上げを検討する方針。

 同大によると、海外の提携校への短期留学プログラムの数を現行の約20から段階的に80程度まで増やす計画。学生は好きなプログラムを選んで卒業までに1回は留学を経験する。期間は最長約2カ月間で、授業料は同大が負担する。渡航や宿泊などの費用も奨学金で一部をカバーできるようにする。

 千葉市稲毛区の同大西千葉キャンパスで記者会見した徳久剛史学長は、これまでも医学部などを中心に自費で海外経験を積む学生が多かったことや、16年に新設した「国際教養学部」の実績を踏まえ「あえて留学を必修化することでグローバル化の旗印にしたい。これから入学する学生にも選んでもらえる大学にしていきたい」と強調。海外経験を積むことに積極的な学生の取り込みに意欲をみせた。

 新戦略の始動に合わせ、現行で年間約54万円(学部)の授業料についても20年度の新入生から値上げを検討する。中谷晴昭理事は「国の予算の動向や、自主財源をどの程度捻出できるかを踏まえ、財源が不足する場合は授業料の改定を慎重に検討する」と述べた。

 同大は16年4月に国際教養学部を開設。定員90人の少人数教育を徹底し、3年間で24カ国33大学に延べ216人が留学した。同年から全学でグローバル関連の授業科目群「国際日本学」を必修化。理系文系を問わず多彩な留学プログラムを用意し、国立大学でトップレベルの年間約800人の派遣実績を持っている。

 企業にも毎年多くの人材を輩出している立場から、渡辺誠理事は「理工系学部は特に産業界との関わりが強く、かなりの数の卒業生が海外赴任している。生命科学や医療の研究もグローバル化している」と指摘。学生のうちに海外経験を積み、多様な価値観への理解力やコミュニケーション能力を養うことの意義を強調した。