千葉県内企業も「先行投資」 賃金急上昇、影響に不安の声 初任給引き上げ加速 【人材難の時代に】

4月1日に行われた千葉銀行の入行式=千葉市中央区の同行本店
4月1日に行われた千葉銀行の入行式=千葉市中央区の同行本店
3月に開かれた合同会社説明会には多くの学生が参加した=千葉市美浜区の幕張メッセ
3月に開かれた合同会社説明会には多くの学生が参加した=千葉市美浜区の幕張メッセ

 千葉県内の大手企業で、初任給を引き上げる動きが加速している。首都圏の大手企業が次々と賃上げを進め、優秀な人材の確保に必要な「先行投資」として初任給を積み増すなか、県内大手でも1万円単位の引き上げが定着し始めた。物価上昇もあいまり、中小企業も引き上げのムードに乗りつつあるが、賃上げに必要な原資が大手に比べて乏しい企業も多い。人件費の急上昇が与える影響を不安視する声も上がる。

 千葉興業銀行(千葉市美浜区)は3月末、2026年4月入行の行員から初任給を2万円引き上げ、28万円にすると発表した。同行は24年度入行の行員で2万5千円、25年度でも3万円ずつ引き上げてきた。わずか3年で、23年度の20万5千円から約37%も上昇したことになる。

◆地銀、28万円ラインに

 初任給が急上昇する最大の理由は人材確保だ。同行の三橋健広報室長は「地方銀行は28万円が一つのラインになっている」と打ち明ける。地銀各行は人事担当者 ・・・

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