ハァちゃんのお庭

  • LINEで送る

 富津市の上飯野に、私が名付けさせてもらった「万葉庭園」がある。と言っても個人の庭園で、萩の季節になると、知友が集い、楽しませてもらっている。

 実際、「低く垂れその上に垂れ萩の花」(高野素十)といった風情で、所有主は小泉豊さん、私の仲良しである。

 邸内の一コーナーに茶室があり、こちらも「小泉万葉亭」と私が命名させてもらい、亭主は奥様の恵美子さんである。

 茶席ながら「万葉亭」は、月に一日だけ「万葉教室」に衣替えし、世話役の小泉恵美子さんにおんぶして、十人前後でワイワイやっている。

 私も狂言回し役の講師として出席しているが、メンバー全員の個性が気に入っていて、体調が悪かろうと、這ってでも出掛けて行く。

 一応は「万葉教室」だが、合間に「エッセー教室」等も開かれ、ちなみに小泉恵美子さんの作品は、佳作だけでも十数編が私の手元にある。

 〈花と暮らす〉

 毎日のように、華道に没頭していた若いころが懐かしい。

 毎週土曜午後には、飯野中学華道部の講師として出掛けて行く。教室には三十名ほどの生徒が集まっていて、いつもにぎやかだった。

 生徒数が多いので、まず黒板に「花形」を描いてから、一人ずつ、花材や生け方の説明をしながら一回りすると、それだけで制限時間が迫ってくるので目まぐるしい。

 こうした忙しい「華道教室」は、飯野中学が統合中学に併合されるまで十二年間続いた。

 他に婦人会、青少年クラブ、青年学級、さらに個人的に習う生徒さんは夜間自宅に招き、あるいは出張けいこに出る。

  活け花を教えてもどる月の道風は涼しく稲田を渡る 恵美子...