2025年12月1日 19:07 | 無料公開

成田山新勝寺で、正月の大本堂前に飾られる大しめ縄作りが進められている。工務員が丁寧にわらを編み込み、形を整えていった=1日、成田市

成田山新勝寺の工務員によって仕上げられていく大しめ縄=1日、成田市
成田市の成田山新勝寺で、正月の大本堂前に飾られる大しめ縄作りが進んでいる。1日、成田山の工務員と奉仕員の計10人が25日の設置に間に合わせるため、大量のわらを丁寧に編み込んでいた。
成田山の大しめ縄は、江戸時代の元禄年間に中興第一世・照範上人が五穀豊穣(ほうじょう)を祈願して作ったのが起源とされる。
市内農家から調達したわら約6千束から厳選した2500束を使う。大野清明さん(56)ら工務員2人がわらを大きく束ねた33房を柱に連ねて力強く結び、稲穂をつるしたように見える成田山特有の「照範じめ」の形に整える。完成すると横6・6メートル、縦1・2メートル、重さ200キロにもなる。
作業は11月上旬から開始。今年のわらは、天候に恵まれ、青々として長く太くなったといい、大野さんは「毎年わらの状態が違うので、作り方を調整して変えている」と説明した。25日に大本堂前に設置した後、見栄えを良くするために、はさみで細部を整える作業をして正月に備える。
地域から訪れる奉仕員は、大しめ縄で使わなかったわらで総門や釈迦堂など40の諸堂伽藍(がらん)を飾る細長いしめ縄を編んだ。
大野さんは「しめ縄作りが始まると年の瀬と正月の訪れを感じる。初詣客にも新年を感じてもらえるよう作り上げたい」と話した。
(渡辺翔太)





