2025年1月20日 05:00 | 有料記事

煎餅を手焼きする柏屋3代目の横山俊二さん(右)。丸い生地が香ばしく色付く炭火の炉の近くは熱を帯びる=銚子市

職人が丁寧に作る柏屋の「ぬれせん」。竹箸でたれを染み込ませる際には「箸から染み具合が伝わってくる」(3代目の俊二さん)
銚子市で複数の煎餅業者がそれぞれにこだわったぬれ煎餅を手がける。ローカル鉄道の銚子電鉄も作り、鉄路を支えてきた米菓としても知られる。茶請けや贈答品、土産物に広く親しまれる地元名物は昭和期に誕生した。
“発祥の店”は、同市港町で営む手焼き煎餅の「柏屋米菓手焼本舗」(以下、柏屋)。炭火の炉の前で、3代目店主の横山俊二さん(60)が真剣な表情で煎餅を焼く手を動かす。
柏屋のぬれ煎餅は「ぬれせん」で商標登録している。堅焼きは焼いた生地を冷ましてからしょうゆのたれを染み込ませるが、焼きたてを熱いうちに浸して染み込ませて仕上げる。銚子のしょうゆを使用する。
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