2024年12月23日 05:00 | 有料記事

「上総の観音さま」を手にする仲田さん=8月、千葉市中央区
6月、文化生活担当に配属された。千葉県内の文化や生活に関するトピックを取材して、紙面を作る部署だ。取材以外にも細かな仕事が多く、異動直後は日々の業務を覚えるのに精いっぱいだった。落ち着いてくると、自分の仕事にどんな意味があるのか考えるようになった。
新聞記者にはどんな社会的役割があるのか。よく言われるのが、歴史を作る役割だ。事件の現場に立ち会う記者には、その正確な記録を後世に残す使命がある。新人記者は一般に、大きな事件の取材をこなす中でその責任の重さを自覚するといわれる。
しかし、文化生活担当には事件取材がない。人の死を扱う県警担当や、選挙取材のある県政担当に比べると「軽め」の取材が多い。自分の書いた文章が何かに影響する様子が想像できず、仕事に対する手応えをつかめないでいた。
考えが変わったのは、今年出版された絵本「上総の観音さま」を取材した時だった。著者は千葉市に住む仲田紘基さん( ・・・
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