来年の「ひげなで祭」中止 鎌倉時代から続く奇祭、担い手不足で当番決まらず 香取・側高神社 禰宜「何とか続ける方法を」

伝統の奇祭「ひげなで祭」=今年1月、香取市の側高神社
伝統の奇祭「ひげなで祭」=今年1月、香取市の側高神社

 毎年1月に香取市大倉の側高(そばたか)神社(石田泰紀宮司)で行われる鎌倉時代に始まったとされる伝統の奇祭「ひげなで祭」が、来年は中止になったことが11日、分かった。若者の流出などによる担い手不足で次の当番が決まらないことが要因。

 同祭りは、1214(建保2)年に氏子の祭り当番の引き継ぎ行事として始まったと伝えられ、五穀豊穣(ほうじょう)や子孫繁栄を願う伝統行事。市無形民俗文化財に指定されている。

 紋付き羽織はかまやスーツ姿で正装した氏子たちが口ひげをなでて相手に酒を勧める神事では、周囲の見物客から「まだまだ」「良い飲みっぷり」「ぐいっと」などとかけ声が上がり、次々と酒を飲み干す氏子の姿に境内は毎年盛り上がりを見せる。

 コロナ禍では2021年、22年の中止を乗り越え、伝統を引き継いできた。同神社禰宜(ねぎ)の石田房嗣さんは「800年以上続く伝統がある。来年は休むが、何とか続けていける方法を考えたい」と前を見据えている。

(中瀬健太)


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