米国への空爆通知遅らせる イスラエル、漏えい懸念か

イスラエル軍の攻撃で被害のあった場所の衛星写真=10日、カタールの首都ドーハ(Planet Labs PBC/AP=共同)

 【ドーハ共同】米CNNテレビは11日、イスラエル軍がパレスチナのイスラム組織ハマス幹部を狙ってカタールで実施した空爆を巡り、イスラエル側がトランプ米政権への通知を意図的に遅らせたと報じた。米政権から連絡を受けたカタール政府がハマスに知らせる可能性があるとして、事前に情報が漏えいすることを懸念したとみられる。

 米メディアによると、トランプ大統領は9日にイスラエルのネタニヤフ首相と電話した際、不意を突かれたことへの「深い憤り」を伝達。ネタニヤフ氏は「攻撃するわずかな機会があったので利用した」と説明した。

 カタールの首都ドーハにはハマス政治部門の拠点があり、ハマス幹部らは空爆された建物で米政権が示したパレスチナ自治区ガザの停戦案を協議していたとされる。

 ハマス報道官は11日、イスラエル軍の空爆でメンバー5人が犠牲になった後も、ガザ停戦交渉で要求する条件は「変わらない」と述べた。空爆は「イスラエルが合意を拒否し、妨害している証左だ」として批判した。


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