40年分の記録読み解く 楓江と武四郎の交流明かす 菱田忠義・重城良造編『重城保日記』第9巻 【故郷の本たちへ 河野良恒】(94)

 『重城保日記』は、幕末・維新期の西上総地方の農村の動向とそこに生きた一名望家の生きざまを知る第一級史料として定評がある。郷土史家の菱田忠義さんと保のひ孫にあたる重城良造さんが二人三脚で日記を中心とした膨大な古文書の解読に取り組み、1990年から7年をかけて全10巻にまとめ、出版した。

 重城保は天保4年( ・・・

【残り 1374文字】



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