虫の大合唱に包まれて 夜なべ 絵・文道塚元嘉 【民家の四季】

 空気が澄んで月の明るい秋宵。朽葉色にしっとりと夜露に濡れた広壮な茅葺屋根。その、あまりの美しさにどきんとして、思わず見入ってしまった日もあった。あれから何年になるだろうか。「茅」はススキやチガヤなどの屋根を葺くために使う草の総称で、いね科の草。かぐわしい茅の匂いや、草の自然で心地よい感触は、民家の屋根に、やっぱり ・・・

【残り 1411文字、写真 1 枚】



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