“歩ける椅子”開発 執刀医の負担軽減へ 千葉大など、今夏発売

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立ち仕事の負担軽減が期待される「アルケリス」
手術室での使用風景

 長時間の手術を行う医師の負担を軽減しようと、千葉大学フロンティア医工学センターの川平洋、中村亮一両准教授らが“歩ける椅子”を開発した。両足に装着すると立ったまま体重を支えられ、歩くこともできる器具で、名前は「アルケリス」。外科医のニーズは高いとみて、両准教授と開発に携わった金属加工会社など3社は今夏をめどに製品化し、発売を予定する。

 アルケリスは、金属のパーツで足首と膝の角度を固定し、すねと太ももを支え体重を受け止める仕組み。体を預けると、中腰で腰掛けるような姿勢を維持できる。軽量素材で、左右が分かれた構造のため、装着したまま歩くこともできる。

 電気制御で姿勢を固定するパワーアシストスーツは電源コードが必要で機動性に欠けるが、アルケリスは電源不要で、装着するだけで使える手軽さが売りだ。

 医療現場では、例えば腹腔(ふくくう)鏡下手術の場合、手術が続くと5~6時間立ちっぱなしになることも珍しくなく、腰痛などに悩まされる医師が多い。

 そうした現状を解決しようと、両准教授と金属加工業のニットー(横浜市)、西村拓紀デザイン(東京)が共同でアルケリスを開発。形や素材のさらなる改良、価格設定などを進め、今夏から日本高分子技研(同)を通して販売する計画だ。

 医療器具工学などが専門の中村准教授は「重労働が敬遠され、外科医の人口は減っている。アルケリスで負担が軽減されれば、外科医の労働環境の向上、さらには患者への還元にもつながる」と期待を込める。今後、医療現場に限らず、農家や工場など立ち仕事全般への応用も検討していく。