モンゴルに日本酒輸出へ 蔵見学で触れる機会も 飯沼本家(酒々井町) 【企業戦線】

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千葉の酒を、国内外にアピールする飯沼社長=酒々井町の飯沼本家
千葉の酒を、国内外にアピールする飯沼社長=酒々井町の飯沼本家

 酒造メーカーの飯沼本家(酒々井町)は来月、モンゴルへの日本酒輸出を始める。同社は11年前から海外販売を続けているが、ここ最近の日本食ブームを背景に海外展開を強化。シンガポールやベトナム、インドネシアなど東南アジアでの販売も検討中。現在1%に満たない海外分の売上比率を、3年以内に5%まで高めたいとしている。

 昨年9月、千葉銀行が開催したモンゴル・ウランバートルでの商談会に参加したのがきっかけ。世界屈指の高いGDP成長率を誇る同国の勢いを目の当たりにし、富裕層向けなどの販売に可能性を感じた。約280万人と人口が少ないため、進出する他の日本酒銘柄が少ないことも、好環境とみている。

 現在は台湾と香港、米西海岸、カナダ西海岸の4地域に展開中。人口が伸びる東南アジア市場でも、販売先などと商談を進めている。

 国内での日本酒人気回復にも力を入れる同社。酒に触れてもらう策の一つとして、蔵への来訪者を増やす試みを続けている。見学や新酒祭りで訪れる人は、年間約3万人に上る。周囲の林や田畑と歴史ある酒蔵の建築物という環境を観光資源として生かし、さらに増やしたいと考えている。

 隣接する物販・飲食施設の「まがり家」は、新潟県の古民家を移築した趣のある建物。酒の試飲や土産物の販売を行うだけでなく、2階は県内作家の絵画、陶芸作品を展示するギャラリースペースにしている。4月には、内部を一部改装してカフェスペースを設ける計画。現在は事務所兼住宅として使っている母屋や蔵も、観光客向けの施設へと徐々に生まれ変わらせる構想を練っている。

 飯沼喜市郎社長は「蔵ごとに違う味がある、それが日本酒の文化。多くの人に知ってもらいたい。良質な田舎を味わえる空間を提供して、触れる機会が増えれば」と話す。