「記憶のかけら」 『こどものころにみた空は』

 誰の心にも懐かしい記憶のかけらがあるだろう。絵を見たり音楽を聴いたり、本を読んだりした時、そのかけらが不意にぴかぴかっと反応して、ひと続きの風景が、心の底辺から浮かび上がることがある。そうそう、いつかそんなことがあったなと、蘇った記憶にしばし今の自分を忘れることが。

 記憶のかけらについて、 ・・・

【残り 1209文字】



  • Xでポストする
  • LINEで送る