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社説

家計改善や就労と一緒に 改正貸金業法と多重債務者救済


 日本経済のバブル崩壊による平成不況の中、消費者金融業者の過酷な取り立てを原因とした自殺や家出が多発するなど、社会問題化した多重債務者の救済を目 的とした改正貸金業法が来年6月に完全施行を迎える。上限金利の引き下げや総借入額を原則年収の3分の1以下とする総量規制など貸金業界への規制を強化し た内容。2007年1月から段階的に施行され、同年4月には多重債務問題改善プログラムもスタートしたが、新たな課題も浮上している。

 日本貸金業協会によると、法改正の影響で昨年度から今年度にかけ利息制限法の上限である20%を超える金利の貸付残高割合(無担保)は消費者向けが53% から41%、事業者向けが41%から9%に低下。登録業者数も約23%減少した。県県民生活課によると県内でも172社から今年11月現在で68社まで急 減した。消費者金融大手の経営不振が伝えられる中、収益悪化などを理由に改正法の完全施行後は廃業による減少がさらに進むと同課では推測。同協会の今年3 月調査で4件に3件は融資を断る状況も出ており、「断られた人がヤミ金融に流れるのでは」との懸念が出ている。

 一方、多重債務者の状況 はどうか。消費者金融5社以上から借り入れている人の数はこの2年余りで67%も減少したが、同課は延滞登録者が逆に増えている状況を指摘する。県の委託 で「24時間365日相談業務」を行っているNPO法人VAICコミュニティケア研究所(千葉市)の津田祐子専務理事も「相談内容が昨年と今年で大きく変 わった。債務整理の問題に代わって、仕事がなくリストラで収入を失ったことで、返済どころか今後の生活設計が立たないという人が増えてきた」という。

 多重債務というより住宅ローンによる過重債務で苦境に陥っている人もあり、「債務の背景は単純ではなく、そこに踏み込んでいかなくては解決はみえない」と も。相談では債務状況と併せ現在の家計実態について時間をかけて聴取。生活の仕方を一緒に考えるが、「就労支援が並行していかないと解決は難しい」と顔を 曇らす。

 セーフティーネット貸付である社会福祉協議会の生活福祉資金もあるが、法・制度以上に債務者への丁寧な対応や関係機関相互の連携も欠かせない。

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