【速報・追記あり】「インシデント隠ぺいしちゃう」X不適切投稿は千葉大病院看護師と特定 病院謝罪、患者被害の証拠は見つからず 調査結果報告

千葉大病院=千葉市中央区
千葉大病院=千葉市中央区
問題となったXへの投稿の一部(現在は削除)
問題となったXへの投稿の一部(現在は削除)

 X(旧ツイッター)上で千葉大病院(千葉市中央区)の看護師と疑われる人物の匿名アカウントが、医療事故や患者への不適切な処置などの内容を投稿していた問題で、同病院は31日、約1年1カ月にわたる調査結果を公表した。投稿者は同病院の看護師と特定されたが、142件の投稿についてヒアリングや電子カルテ、看護記録の確認などを行った結果「患者に対する不適切な対応を実際に行ったことを示す証拠は確認されなかった」と結論付けた。投稿者は現在も自宅待機中で、処分については「適切に対応する」としている。

 問題となったのは病院の看護師を名乗る匿名アカウント(現在は削除)で、2023年秋ごろから「インシデント書くの面倒だからいつも隠ぺいしちゃう」「薬は飲ませたフリをしてこっそり捨ててる」など、医療現場での不適切な行為を示唆する投稿を繰り返していた。

 同病院は昨年1月、問題のアカウントが学内の看護師のものであるかどうかを含めた内部調査を開始。調査対象者に自宅待機を命じ、昨年2月から外部有識者を含む調査委員会を設置して調査を進めていた。

 同病院の発表によると、調査対象の看護師は昨年1月、問題の投稿について自身が投稿したことを認めた上で「内容は創作だ」と説明したという。

 調査委は「看護職の倫理綱領」などに抵触する可能性のある計142件の投稿を対象に調査。電子カルテや看護記録の確認のほか、病棟スタッフなど17人への聞き取り、医師や看護師へのアンケートなどを行った。

 事態の発覚から報告まで1年以上を要した理由について同病院は取材に対し、看護師によるXへの投稿計522件のうち、不適切対応にあたる可能性のある投稿142件を抽出することに時間を要したと説明。さらに一件ずつヒアリングや記録との照合を行い、行為の有無を確認したため、調査に長期間を要したとしている。

 報告書によると、医療事故に該当しうるカリウム原液の投与については、製剤の管理には厳格な手続きがあり、他の看護師の目もある中での使用は困難と指摘。「投与を行った可能性は低い」とした。

 インシデント報告の隠ぺいについては「報告を適切に行わなかった事案が存在した可能性は完全には否定できない」とした一方、看護体制がチーム制であることや医師の確認があることから「患者に悪影響が生じた事案が報告されなかった可能性は低かった」と結論づけた。

 また、体位交換や口腔ケアを怠るといった不適切対応については、いずれも「実施の記録自体は行われている」「褥瘡(じょくそう)については引き継いだ看護師が気付く可能性がある」とし、投稿が創作だったという本人の説明に一定の信用があると判断した。

 病院側は「行為を行わなかったことを立証するのは困難で、調査には一定の限界がある」としつつ、「不適切な行為を示す証拠は確認されなかった」と総括。一方で「患者さんの尊厳を傷つける投稿などは倫理的に許されず、看護師への信頼を著しく損なう行為であり、あってはならない」とも批判し、「患者やご家族、地域の皆さまに多大な心配をかけた」と謝罪した。

 原因については、医師からの言動による強いストレスや、重症患者を多く扱う部署で業務が本人の許容範囲を超えていたことなどが背景にあると分析。再発防止策として、職員の心身の不調に対する支援体制の充実や管理職向けのハラスメント研修、SNSガイドラインの一部改正などを挙げた。

(山崎恵)


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