中谷順子選 【日報詩壇】

9月の終わりに 千葉 市原トシ子

いくつかの
小さな齟齬が重なって
心が閉じられていく
言葉を見つけられていたら
もう少しましな終わりに
なったのに 芙蓉の花が
身をよじって閉じる

気づいて
もらいたかったのね

外の声が響いてきて
絡みついた蔓が解かれてる
感じたことに執着する
私の種を
【残り 1454文字】



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