【千葉魂】ロッテ横山、初登板は夢の甲子園 快投続くサイドハンド

5月26日にプロ初登板後、中継ぎとして好投を続ける横山=ZOZOマリン
5月26日にプロ初登板後、中継ぎとして好投を続ける横山=ZOZOマリン

 プロ入り最初の登板は甲子園だった。5月26日のタイガース戦。プロ2年目の横山陸人投手が2番手として2点ビハインドの六回からマウンドに上がった。高校時代、甲子園出場機会のない横山にとってプロ初の1軍登板は初めての甲子園という舞台となった。

 「行くぞと言われていたので準備はしていましたけど、甲子園で投げるということは不思議な感じでした。緊張というかフワフワした感じで投げました。準備をしている時はストライクが入らなかったらどうしようとか、打たれたらどうしようとか不安でしたけど、いざマウンドに上がったら開き直って集中することはできました。点を取られなくて良かったです」

 横山本人は謙遜気味に振り返るが、サイドから繰り出す150キロを超すストレートでグイグイと押し、1回を無失点。甲子園のマウンドで躍動する姿でタイガースファンをも魅了した。

 並みの19歳ならプロ初登板で緊張のあまりコントロールが定まらず四球になりそうなところ。しかし背番号「60」はこの大舞台に燃えた。

 「四球が一番いけないと思っていた。1軍の打者とせっかく勝負できる機会をいただいたのに四球で逃げるのは、もったいない。ストライクゾーンでガンガン勝負をしていこうと思いました」とその時の心境を振り返る。「もったいない」。その気持ちこそが結果をもたらした。

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 甲子園でのデビューをキッカケにその後も快投を続ける。交流戦終了までに7試合登板をして、防御率1・29。7イニングを投げて七つの三振を奪っている。甲子園に縁がなかった若者は大舞台をキッカケに大きく飛躍をしようとしている。

 舞台を用意した吉井理人投手コーチも「甲子園での3連戦のどこかで投げさせようと思っていて、本人にも行くぞとは言っていたけど初登板でなかなかすごい投球だった。最近の若い子はすごいなあ。緊張しないもんなあ」と目を細める。そして「あのストレートはなかなか1軍の打者でも1打席でアジャストすることはできないと思う。もっともっとこのストレートを磨いていってほしい」と若者の無限の可能性について語った。

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 高3夏の県大会は4回戦で八千代松陰に1-5で敗退し、高校時代に目標にしていた甲子園出場はかなわなかった。夏の大会後、母の実家のある兵庫に帰省した際に甲子園に足を運んだ。それが初めての甲子園だった。

 グラウンドでは星稜対智弁和歌山の試合が行われた。その試合をバックネット裏から観戦した。同じ年の奥川恭伸投手がマウンドで躍動する姿があった。試合は延長十四回。それでも150キロを超えるストレートを繰り出し、サヨナラ勝ちを呼び込む奥川の姿に刺激を受けた。あれから2年。同じプロの舞台にいる。そして、これまで縁のなかった甲子園で鮮烈なデビューを果たした。

 「間隔を空けて投げさせてもらっているので疲れはありません。ストレートに磨きをかけるのはもちろん、変化球が課題だと思うのでスライダーやシンカーを磨いていきたい」と抱負を語る。プロ1年目の昨年はドラフト1位の佐々木朗希投手と共に1軍春季キャンプに大抜擢された逸材。若きサイドハンド右腕に無限の可能性を感じる。果てしなく広がっている未来。少しずつ、確実に歩みを進めていく。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)



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