米政権の麻薬摘発に同盟国懸念 軍攻撃に国際連携ほころび

米ホワイトハウス前で掲げられた「戦争反対」のプラカード=15日(AP=共同)

 【ワシントン共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は15日、トランプ米政権が9月以降カリブ海などで続ける「麻薬運搬船」攻撃の影響で、麻薬取り締まりの国際連携にほころびが生じていると報じた。米軍による攻撃で乗組員80人以上が死亡。国際法違反の疑いがあるとしてフランスやオランダなどの同盟・友好国が距離を置いており、情報共有が滞る恐れがある。

 米政権はベネズエラの反米マドゥロ政権が麻薬密輸に関与していると主張。カリブ海周辺に空母を派遣し軍事圧力を強化している。地上攻撃に踏み切る可能性も取り沙汰されており、緊張が高まっている。

 麻薬取り締まりでは麻薬組織の動向に関する情報などが重要になる。米国防当局者は同紙に、昨年のコカイン密輸摘発の80%は各国と連携したものだったと説明。英国やフランス、オランダはカリブ海に領土があり、独自の情報を米国に提供しているとみられる。

 米軍による攻撃についてフランスのバロ外相は「国際法違反だ」と批判。カナダとオランダも米国の作戦には関与していないと距離を置いている。


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