不妊手術、旧法巡る対応検証へ 精神科医団体が内部委員会

1960年実施の大分県優生保護審査会で、医師が提出した健康診断書(左)と、医師に診断書の再提出を求めた通知書のコピー

 旧優生保護法(1948〜96年)下の障害者らへの不妊手術問題で、精神科医らでつくる「日本精神衛生会」が来年1月にも内部委員会を設置し、旧法を巡る対応の検証を始めることが16日、分かった。旧法は精神科医が本人同意のない不妊手術を申請できると規定。同会も50年代、手術促進の財政措置を国に陳情していた。被害者を救済する法案制定の道筋が整いつつある中、医療側が自らの関わりを調査する動きとして注目される。

 人権擁護に関する市民団体の関係者は「手術を推進しようとした側が自ら検証して反省の過程を踏むことが、差別解消の出発点となる」として検証結果を見守る構えだ。


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