意識変化 第2のブーム 関与限定的、町は苦慮 サーフィン会場の一宮 【2020東京五輪 ちば総点検 祭典まで1年】(2)

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サーフィン会場になる釣ケ崎海岸=一宮町
サーフィン会場になる釣ケ崎海岸=一宮町
五輪出場が期待される地元出身の稲葉玲王選手(左)、大原洋人選手(4月のQS大会前会見)
五輪出場が期待される地元出身の稲葉玲王選手(左)、大原洋人選手(4月のQS大会前会見)

 五輪初採用のサーフィンが行われる一宮町。世紀のイベントまで1年を切り、「日本一のサーフタウンに」との期待は高まるばかりだ。

 会場となる釣ケ崎など、海岸通り周辺に住宅、アパートやサーフショップ、飲食店が目立ち始めたのは10数年前から。メイン通りを陸側に入ると閑静な住宅が並ぶ。移住してきたサーファーの子どもが地元の東浪見小学校に通うなど地域に根付く家族も多い。

 1989年に不動産業「アーゴプロジェクト」を開業し、サーファーを専門に賃貸物件を提供してきた田中輝治さんは「93年に全日本選手権、95年に世界選手権を誘致して最初のブームがきた」と振り返る。それまで町内の同業者は「問題を起こす」とサーファーを敬遠していたが、徐々に意識が変わり、新規業者も続々と進出。真っ暗だった夜の街も街灯の整備や店舗の照明で明るくなった。

 五輪が第2のブームになるのは確実。「知名度は既に上がっている。いま足りないのはトランクルームと店舗物件」。五輪後も見据え、ニーズに合わせた新展開に取り組んでいる。

 一方で対応に苦慮しているのが町役場。競技運営はもちろん、大会中に会場で開催されるイベントも組織委員会が仕切っていて手が出せない状態。「オリンピック」の名を使う企画はほぼ許可が下りない。馬淵昌也町長は関連イベントで積極的にPRしているが、効果は限定的。「もう少しマネジメントに関われると思っていたが、『金も人も出さなくていい』という姿勢だった」と嘆き、「今からでも、多くの人が仲間に入れる仕組みをつくってほしい」と訴える。

 期間中には独自イベントを開催する計画。「郷土色の濃い、ローカルなイベントでいい。盆踊りやよさこいは外国人に受けるのでは」と期待し、近隣市町村に参加を呼び掛けるという。

 本番の盛り上げに欠かせないのが地元選手の出場だ。稲葉玲王、大原洋人の両選手とも現在、チャンピオンシップツアー(CT)の下部シリーズ(QS)で上位につけ、十分狙える位置。男子は米国出身の五十嵐カノア選手がCTで初優勝するなど、自力で出場枠を確保しそうで、二つ目のイスを巡る戦いに両選手が挑んでいる。早ければ9月の世界選手権で決まるが、来春までもつれる可能性も。地元の一番の願いは2人のどちらかが代表に入り、さらに話題を高めてくれることだ。

(茂原支局長・古川大介)