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市民の不安どう解消 オスプレイ暫定配備容認 木更津市 【回顧2019年取材メモから】

臨時記者会見を開き、オスプレイ暫定配備受け入れ容認を発表する渡辺市長(中央)=25日、木更津市役所
臨時記者会見を開き、オスプレイ暫定配備受け入れ容認を発表する渡辺市長(中央)=25日、木更津市役所

 陸上自衛隊の輸送機オスプレイを巡り、木更津駐屯地が暫定配備先として急浮上して以来、木更津市は対応に揺れ続けた。暮れも押し詰まった25日、渡辺芳邦市長は防衛省を訪ね、配備期間は「5年以内を目標とする」ことで河野太郎防衛相と合意し、受け入れ容認を表明。陸自によると、来年6~7月には配備が始まる見通し。しかし、市民の不安をどう解消していくのか、今後の詳細な詰めが急がれる。

 5月、防衛副大臣が木更津市を訪れ、オスプレイ17機を配備する方針を示し、市に協力を求めてきた。すでに同駐屯地は米軍オスプレイの整備拠点となり、新たに浮上した陸自オスプレイの計画は波紋を呼んだ。配備期間は明示されず、機体の安全性や騒音など生活環境への影響を懸念する声が上がり、反対運動にも火がついた。

 市は、防衛省の担当者を招いた計15回にわたる住民説明会を開催。より詳細な説明を求めて北関東防衛局に質問書を送付するなど確認作業が続くが、焦点だった配備期間は「目安を検討する」との同省に対し、「期間を明らかにしなければ判断できない」とする市と平行線をたどった。

 そんな中、12月に入ると同省からの「目安」の回答を待たず、市議会が「5年」とする意見書を可決し、動きが加速する。

 暫定配備の要請から7カ月。渡辺市長は河野防衛相と面会すると「5年以内」の条件で合意を決断し、さらに臨時記者会見で「5年以上の配備はあり得ない」と強調した。しかし、本来の配備先である佐賀空港(佐賀市)は、地元漁協との交渉が難航し、先行きは不透明。空港建設時に「自衛隊と共用しない」とした公害防止協定の見直しや、用地買収交渉、施設整備が必要だからだ。

 佐賀の状況からすれば、「暫定」が「恒久」化するのではという市民の懸念はもっともだろう。配備期間が5年を超えることは「現状では頭にない。防衛省に5年以内に何とかできるように努力してもらいたい」とは渡辺市長。だが、果たして将来に向けて担保されるのか。不安を抱える市民の理解と負担軽減にどうつなげるのか。

 渡辺市長は「住民の不安解消に向けた環境をつくっていきたい」との意向も示す。運用を協議する体制の構築、佐賀配備に向けた進捗(しんちょく)状況の情報提供など、今後詰めていく課題は山積している。

 旧軍時代からの「基地のまち」である木更津市にとって、配備容認は予定調和ともいえる。今年完成した陸上競技場や市消防本部新庁舎などは、基地関連の補助金が活用され、「昔から自衛隊と一緒に木更津は発展してきた」と語る関係者の言葉が象徴的だった。配備には、市民の不信感を招くことのない真摯(しんし)な対応が、市と防衛省に改めて問われそうだ。

(かずさ支局長・岡田正弘)

=終わり


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