<5~11歳ワクチン1カ月>重症化予防や副反応 十分理解し判断を 打てない事情も、差別防げ 国際医療福祉大学成田病院・藤井小児科部長

子どものワクチン接種について解説する藤井教授=国際医療福祉大学成田病院
子どものワクチン接種について解説する藤井教授=国際医療福祉大学成田病院

 5~11歳の子どもを対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まって1カ月が過ぎた。学校や保育所での感染が増えた一方、「わが子に打たせても大丈夫なのか?」と迷う保護者も多い。国際医療福祉大学成田病院小児科部長の藤井克則主任教授は「メリットとデメリットを十分に理解し、個々の子どもの状態を見てほしい」と発信する。接種をどのように判断すべきか藤井教授に聞いた。

(聞き手 成田支局・渡辺翔太)

 -子どものワクチン接種開始から約1カ月たった。

 「わが子に接種させるか迷う保護者が少なくない。一般外来でワクチンに関する質問が増えた。基本的には全身の状態が良く、今までの予防接種で大丈夫であれば大きな問題はないと考えられる。メリットとデメリットを理解して判断するよう伝えている」

 「メリットは大まかに(1)重症化を予防する(2)基礎疾患の悪化や後遺症を防ぐ(3)多系統炎症性症候群(川崎病に類似した疾患)の発症を防ぐ(4)家庭内や学校での感染を防ぐ-に分けられる。デメリットは(1)副反応が心配(2)わが子に効果があるか分からない(3)持病がありワクチンで悪化しないか心配-などがある」

 -ワクチンの情報はどのように知るべきか。

 「ニュースだけでなく、三つのウェブサイトも見るように紹介している。厚労省でダウンロードできるリーフレットと日本小児科学会にある考え方が良い。医師らで作った『こびナビ』がさらに分かりやすい。イラストもあり、保護者はこれに沿って子どもに説明すると良いと思う」

 -接種について子どもにどのように伝えるべきか。

 「子どもたちも今の状態が正常でないと理解できている。きちんと接種する意義を話してあげたほうが安心すると思う。副反応や注射針の痛みへ恐怖感を持っている子もいるので、『何かあったらお医者さんがすぐに対処するよ。お父さんお母さんに何でも言ってね』と伝えてほしい」

 -接種しない家庭もある。子どもにどう伝えるべきか。

 「悩んだ末に接種しないと決める家庭もいる。それがいじめにつながることを防がないといけない。予防接種でアナフィラキシーになったことがあるなど、どうしても打てない事情もある。保護者は接種したくてもできない人がいることを子どもに教えるべき」

 -ワクチンを接種すると決断したら。

 「打てる状況にあるならば早めに打ってほしい。子どもはよく発熱もするし、予定通りにいかないことも多い。他の予防接種による時期の制約もある。その子の特徴に沿って、かかりつけ医とも相談してメリットとデメリットを判断してほしい」


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