2カ月足らずでまた… 自宅修繕中、肩落とす住民 台風浸水被害のいすみ市佐室地区

台風16号による浸水から一夜明け、自宅1階車庫の泥を洗い流す奥田さん=2日午前、いすみ市佐室
台風16号による浸水から一夜明け、自宅1階車庫の泥を洗い流す奥田さん=2日午前、いすみ市佐室

 強い雨と風で県内に被害をもたらした台風16号から一夜明けた2日、川の水があふれ住宅が床上浸水したいすみ市佐室地区では、台風一過で気温が上昇する中、住民が家に入った泥を取り除く作業などに追われた。同地区は8月の台風10号でも浸水。2カ月足らずでの被害に住民は「やっと家を直すのが終わると思っていたのに…」とため息を漏らす。

 浸水したのは、夷隅川支流の佐室川と落合川の合流地点一帯。1日正午に同地区115世帯258人に警戒レベルの最も高い緊急安全確保が出された。同地区では大雨による川の氾濫がたびたび起きている。8月の台風10号でも住宅10軒が床上浸水。3世帯6人がゴムボートで消防に救助された。

 「前の台風で水に漬かった天井の張り替えがもうすぐ終わって、やっと楽になると思ったらまた水が入ってしまって…」

 川沿いの2階建て住宅に夫の奥田波都夫さん(89)と暮らす博子さん(85)は、肩を落とした。自宅は1・5メートルほど浸水した。

 8月の台風では1階が高さ2・3メートルまで浸水。2階からゴムボートで救助され、テレビやテーブル、ソファなどの家財道具は処分せざるを得なかった。1階車庫部分の電動シャッターを直すなど、もうすぐ住宅の修繕が終わろうとした矢先に今回また被災した。

 奥田さん夫婦は約25年前から同所に住み、家を建てて1カ月後に台風で浸水するなど、何度も被害を受けてきた。庭を数十センチかさ上げしたこともあったが対応が追い付かず、「土地が低いのは分かっていたが、こんなに大水が出るとは思わなかった」と波都夫さん。

 台風一過で青空が広がり気温が上昇する中、首にまいたタオルで汗を拭いながら1階の泥を洗い流す作業を続けた。

 同地区では8月の被害で引っ越した人も。博子さんは「まだ台風は来るだろうし雨だけは怖い。2階まで浸水したら別のところに行こうと思う」と話した。


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