ワクチン使用期限を誤認 高齢者ら34人に不適切接種 柏の診療所

不適切なワクチン接種を発表し頭を下げる柏市保健所の山崎彰美所長(中央)ら=同市
不適切なワクチン接種を発表し頭を下げる柏市保健所の山崎彰美所長(中央)ら=同市

 柏市保健所は10日、新型コロナウイルスワクチンを巡り、希釈後6時間以内の使用期限に反し、それを超える不適切な接種が市内診療所1カ所で医療従事者や高齢者計34人に対し延べ44回行われたことが判明したと発表した。これまでに健康被害の報告はない。

 市によると、診療所内で「希釈後24時間以内」との誤った認識が共有されていたのが原因。市は希釈後10~24時間の接種が行われたと推定。ワクチン効果が低くなることが考えられ、本人の希望を聞いた上で診療所が抗体の有無を調べる血液検査を50人に行い、その結果を受け市が再度接種を行う。

 使用したワクチンはファイザー社製。この診療所は朝の希釈分を夕方に接種したり、前日の希釈分を注射器に入れたまま冷蔵保管し翌日の希釈分と混在させ接種したりしていた。

 接種された人は、この診療所と近隣医療機関の医療従事者や自宅で訪問診療を受けた高齢者など計34人。このうち31人を特定し、残り3人は接種の疑いのある19人に含まれており、計50人を検査対象とする。

 この診療所は4月28日~6月10日に230件の接種を実施。他の医療機関との雑談でワクチンの添付文書通りに接種していないことに気付き、5日に市のコールセンターに「希釈について話をしたい」と連絡し不適切な接種が判明した。

 この診療所で希釈や保管などワクチン管理は看護師2人が担当。このうち1人は市の立入検査に「ワクチンの使用期限を24時間以内と誤認していた」と説明。院長を含め診療所内で誤った認識が共有されていた。院長や事務長は市が2月と4月に開いたワクチン説明会に出席していた。

 市は10日開いた医療機関対象の説明会で再発防止に向け適正なワクチン管理を周知した。


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