2021年4月10日 15:48 | 無料公開

ベトナム料理店を開いたリンさんの母、グェンさん(右)と友人のハーさん=10日、松戸市

レジで開店作業をするリンさんの父、ハオさん

リンさん両親らが開店したベトナム料理店の店内
2017年に殺害された松戸市立小3年でベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9)=の両親らが10日、同市内でベトナム料理店兼食材販売店を開いた。生前に「ベトナム料理を覚え、日本人の友人に作ってあげたい」と夢を語っていたリンさんの思いを引き継ぎ、両親は「ベトナムの食文化を知ってほしい」と話している。
店名は「ハーグェン・ベトショップ」。リンさんの母、グェン・ティ・グェンさん(34)と店をともに運営する友人のブ・ティ・トゥ・ハーさん(34)の名前から付けた。
父のレェ・アイン・ハオさん(38)が昨年10月設立したソフトウェア会社の事務所は2階にあり、土日曜はハオさんも店を手伝うことにしている。
報道陣の取材にグェンさんは「(リンさんも)料理好きで春巻きやフォーを自宅で一緒に作った。お店を開きたいとも言っていた」と振り返り、「ベトナム料理のおいしさを伝えたい」と話した。
事件の被告を一審に続き無期懲役とした二審判決に対し東京高検は上告を断念した。ハオさんは「これからリンちゃんのために何をしたらよいか分からない」とする一方、「リンちゃんのためにできることは精いっぱいやった。普通の生活に変えたい」とも語った。
その上で「日本人にベトナムの料理や文化を知ってほしい。日本に住むベトナム人にも来てほしい」と呼び掛けた。
席数は新型コロナウイルス感染対策で間隔を広めに取り1階約15席、2階約30席。メニューは麺料理「フォー」やサンドイッチ「バインミー」など。ベトナムの調味料や肉類、乾麺、ココナツなどの果物、手作りのちまきなどを販売する。
同店は新京成線元山駅西口近く。午前9時(料理店は10時)~午後8時。(電話)047(720)9139。
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