【新型コロナ】県内初、自宅待機者死亡 県「最大限の対応した」

千葉県庁
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 県は20日、新型コロナウイルスに感染し自宅で療養していた60歳未満の患者が18日に死亡したと発表した。県内での自宅待機者の死亡は初めて。循環器系の基礎疾患があったが、保健所は年齢・症状など重症化のリスクを考慮し、入院優先度が低いと判断。発症7日後に症状が急変し死亡した。背景には、感染者急増に伴う病床逼迫(ひっぱく)の影響があるとみられる。県は「(患者に)最大限の対応をしてきたと認識している」と強調。今後は病床拡大に向けた取り組みを継続するほか、症状悪化を感知するパルスオキシメーターの配布対象者を拡大する考えを明らかにした。

 県は死亡した患者の性別、居住地などを明らかにしていない。

 患者は11日に発症。38度台の発熱やせき、のどの痛みの症状があり、近くの医療機関を受診し、抗原検査で陽性が判明した。発症5日後の16日に症状が悪化。18日には体調が急変し、救急搬送先の県内病院で死亡が確認された。死因は新型コロナウイルスと低酸素血症。

 保健所は陽性判明以降、患者の体調を毎日1回電話で確認していた。15日にはホテル療養、悪化した16日以降は医療機関への入院調整を実施。死亡した18日には午前と午後の2回調整を行ったが、重症化リスクを踏まえ優先度が低いことから入院には至らなかった。症状悪化を感知するため血液中の酸素濃度を測るパルスオキシメーターは配布していなかった。

 感染者の急増を受け県は7日に自宅・ホテルの療養基準引き上げを発表。18日には全圏域で病床確保計画の最高レベル「フェーズ4―2」に移行する方針を示すなど、県内の病床逼迫は深刻度を増す。医療関係者からは、自宅療養者について患者のように症状が急変するリスクが指摘されている。

 患者死亡を受けた20日の記者会見で県は「優先順位が高くないと入院できない。基礎疾患にも程度があり、生活習慣病に類するもので、重症化リスクを踏まえ入院調整を行わなかった。最大限の対応をしてきた」と説明。森田健作知事はコメントで患者の冥福を祈り、「入院を必要とする方が速やかに入院できるよう取り組む」と病床確保への努力を続ける考えとともに、「パルスオキシメーターの活用を拡大する」方針を明らかにした。


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