南房総で渇水 年明けにも断水開始か 住民困惑、飲食店「水が出ないと回せない」

まな板を洗いながら「蛇口から水が出ないと店を回せない」と話した飲食店の男性=10日午後、南房総市和田町
まな板を洗いながら「蛇口から水が出ないと店を回せない」と話した飲食店の男性=10日午後、南房総市和田町
手洗い場に貼られた節水を呼び掛けるチラシ=9日午後、南房総市丸山公民館
手洗い場に貼られた節水を呼び掛けるチラシ=9日午後、南房総市丸山公民館

 南房総市和田町上三原の「小向ダム」の貯水量が著しく減少している問題で、同市は10日、現状のまま推移すれば来年1月5日にも断水を始める見通しを明らかにした。当初に比べ1日当たりの減少率は緩やかに縮小しつつあるが、対象地域の住民には不安が広がっている。

 市によると、10日午前9時時点での貯水率は31・3%。他のダムや河川からの供給などにより、貯水量は当初推計より増え、断水予測時期もずれ込んだ。一方で減少傾向は変わらず、断水開始の目安となる「貯水率20%」に刻一刻と近づいている。

 市は同日から市防災協力会などと連携し、散水車など計7台でダムへの注水を開始。断水の対象となる丸山・和田両地区では夜、石井裕市長が防災行政無線で節水を呼び掛けた。対象地域内の市立嶺南小・中では節水対策として、同日の給食から使い捨てができるプラスチック製の容器や割り箸などに変更している。

 和田地区にある飲食店「叙香園」の男性(71)は「雨が降らない時期にダムの水を放流した市の判断はおかしい」と指摘し「蛇口から水が出ないと店を回せない」と声を落とした。男性は「営業できなくなったら必要最低限の生活が送れる補助をしてほしい」と話した。

 「Go To トラベル」の効果で既に多くの予約がある「四季の宿 民宿じんざ」の石井英毅さん(58)は「風呂の水が出せないと客を迎えられない。断水したらどう対応すればいいのか」と困惑。常に予約が入ってくる状況だったが、先が見通せないため来年1、2月分の新規予約は受け付けていない。石井さんも「今回は明らかにダムの放流時期の判断ミス。人為的なものだ」と語気を強めた。

 市は11日午後7時から丸山体育館と嶺南小体育館で住民説明会を開く。


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