
長雨や台風シーズンを前に、千葉県内自治体は新型コロナウイルス感染防止対策に配慮した避難所対応を始めている。市川市も千葉市と同じく感染症を考慮した運営方針を既に策定。自宅療養中の新型コロナ患者ら専用の避難所を設けるなどとした。飛まつ感染の防止策としてテントを整備する自治体も増えている。
市川市は新型コロナウイルス感染症予防に配慮し、感染者らと感染していない市民の避難所を分離する運営方針を発表した。自宅療養中の感染者(軽症者)や濃厚接触者は在宅避難か、あらかじめ市が指定した専用の避難所の利用を選択。専用の避難所は市の施設を想定している。
避難所の受け付けでは検温や問診を行い、発熱などがある場合はテントなどで間仕切りした隔離スペースで過ごしてもらう。
健康状態に問題がない市民の避難所でも「3密」の回避に心を砕く。1人当たり6平方メートルのスペースを確保。体調が悪化した場合は、保健所を通じて入院するなどの手はずを整える。
市は国が4月上旬に、全国の自治体に避難所での新型コロナ対策を徹底するよう通知したことや、地震が頻発していたことなどから、早期に独自の方針策定を進めてきた。市の担当者は「いつ避難所が必要になるか分からない。しっかり対策することで、感染を恐れて避難できない市民が出ないようにしたい」と強調した。
流山市は新型コロナの避難所対策として、テント600張を購入する方針。予備費から3300万円を充てる。7月末までに先行して120張を調達。残りは年内までに順次納入を受ける。
テントは天井まで一体構造の形状。4人用で市内65の避難所のうち最も広い市総合体育館(キッコーマンアリーナ)内の防災備蓄倉庫などに配備し、避難所の「3密」回避に役立てる。
我孫子市も防災備蓄品として間仕切りテント620張などの購入費1700万円を一般会計補正予算案に盛り込んだ。4方向の側面を覆い屋根がない形状。2人用で車いすでも入室できる。市内31の避難所に20張ずつ配備。各避難所には既にテントが10張ずつあり備蓄を充実させる。