耳疑うような虐待 勇一郎被告母「謝って」 野田事件21日初公判

取材に応じる栗原心愛さんの父、勇一郎被告の母=18日、柏市
取材に応じる栗原心愛さんの父、勇一郎被告の母=18日、柏市

 野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が2019年1月に自宅浴室で死亡した事件で、虐待したとして傷害致死などの罪に問われた父、勇一郎被告(42)の母(68)が18日、千葉県内で記者会見し「耳を疑うような虐待だった。死に至ったことを謝ってほしい」と語った。勇一郎被告の裁判員裁判は21日から千葉地裁で始まる。

 学校のアンケートで勇一郎被告からの暴力を訴えた心愛さんは17年11月7日に児童相談所に保護され、同年12月27日に祖父母宅で暮らすことを条件に解除された。

 被告の母はその後計半年間、心愛さんと暮らしたが、虐待の兆候には気付けず「心愛も言わなかったし、今となってみれば認識不足だった」と悔やんだ。一時保護解除の際、児相から虐待のリスクが高いと伝えられなかったとして「知っていれば、注意深く見たと思う」と話した。

 心愛さんと最後に会ったのは18年12月29日。自宅アパートへと帰る際、支度に時間を要した心愛さんを被告は「早くしろよ」と強い口調で叱っていた。事件前日の19年1月23日、洗車のため実家に寄った被告はいら立った様子で、心愛さんの近況を「(学校に)行っている」とだけ答えた。

 心愛さんは家族の誕生日に手作りのブレスレットやメッセージカードを贈ってくれるなど、気が利く優しい子だったという。練習を続けていた持久走大会では最下位に終わったものの、被告に「結果じゃなくて努力が大切だ」とほめられ、喜んでいたこともあったと明らかにした。

 事件後の19年3月、心愛さんが通っていた小学校の教頭から、亡くなる約3カ月前に心愛さんが記した「自分への手紙」を受け取った。終業式に向けて書かれたもので「未来のあなたを見たいです。あきらめないでください」と締めくくられていた。被告の母は手紙を手に「(私たちに)何も言えなかったのかと思うと、申し訳ない」と涙をこぼした。


  • LINEで送る