暴風、植木のまちに爪痕 枝折れ商品価値低下 匝瑳被害7000万円 【台風15号】

強風で傾いた植木=20日午後2時40分ごろ、匝瑳市
強風で傾いた植木=20日午後2時40分ごろ、匝瑳市

 台風15号は、日本有数の「植木のまち」匝瑳市にも被害を及ぼした。枝が折れたり、枯れるなど被害総額は市の推計で計約7千万円に上る。市は「実際の被害額は正確に把握できていない」として24日、千葉県海匝農業事務所とともに詳細調査に乗り出した。

 市内では、猛烈な風雨でマキやマツといった造形樹が倒れたり、枯れたりしたほか、骨格となる枝が折れた緑化樹もあり、商品価値が大きく低下した。

 強風でサクラなどが倒れて売り物にならなくなったとするのは同市の植木業「萬樹園」代表の佐藤悟さん(71)。「倒れたマキなどを元に戻すための作業も必要。今後も大きな台風の直撃が来ないか不安」と話す。

 植木生産業を営む別の男性(81)も「枝が折れて価値が下がったものは少なくない」と明かす。「被害を受けたことについては正直、諦めるしかないと思う」と肩を落とした。

 一方、市などによる調査では、過去に大きな被害をもたらした塩害については今回、影響が見られなかったという。佐藤さんは「雨が最後まで降っていたため免れた。塩害がなかったことは不幸中の幸い」と説明する。

 同課は「台風は(匝瑳を代表する産業である)植木のみならず、さまざまな産業に被害をもたらした」とした上で「今後も被害について調査し、正確な状況把握に努めるとともに、復興に向け全力を挙げて取り組んでいきたい」とした。

 日本有数の栽培面積を誇る市内の植木生産は明治時代に始まったとされ、現在では約700軒の農家(2016年度)を擁する大産地となった。今年3月末現在、千葉県が認定する「植木伝統樹芸士」、「植木銘木100選」のうち半数以上を輩出している。


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