妨害禁止へ条例案 市原市、調査促進で チバニアン

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市原市田淵の地磁気逆転地層
市原市田淵の地磁気逆転地層
条例案について説明する市原市の小出市長=24日、同市役所
条例案について説明する市原市の小出市長=24日、同市役所

 国の天然記念物で「チバニアン(千葉時代)」命名申請の根拠となっている市原市田淵の地磁気逆転地層を巡り同市は24日、学術的な調査研究の目的で立ち入ることへの妨害行為を禁じる罰則付き条例案を公表した。9月定例市議会への提出を目指す。同市によると、地層の調査研究促進を目的とした条例案は全国的にも珍しいという。

 条例案は、「特定地域」内の土地の所有者及び権原に基づく占有者は「正当な理由なく、試料採取のための特定地域への立ち入りを拒みまたは妨げてはならない」としている。

 また、「威力を用いて試料採取のための特定地域への立ち入りを妨害した者は、5万円以下の過料に処する」との罰則を盛り込んだ。

 地磁気逆転地層の一帯約2万8500平方メートルについて国は天然記念物に指定。条例が成立すれば、ほぼ全域が特定地域となる。

 茨城大などのチームは、地質年代のうち77万~12万6千年前を「チバニアン」とすることを目指し、同地層を代表的な地層「国際標準模式地」とするよう国際学会「国際地質科学連合」に申請。

 2次審査まで通過したが、地層近くの土地(155平方メートル)に賃借権が設定されたため、研究目的の立ち入りが困難になる恐れがあり、3次審査への影響が懸念されている。9月までに審査の手続きに入らないと、時間切れで計画が白紙に戻る可能性がある。

 賃借権は、申請に反対する「古関東深海盆ジオパーク推進協議会」代表の楡井久・茨城大名誉教授名で設定された。楡井氏は研究データの捏造(ねつぞう)を訴えている。

 臨時記者会見で条例案の原案を公表した小出譲治市長は「私権の制限は最低最小限」と強調。条例により立ち入りが保証されれば「国際標準模式地の認定に寄与する」とした。市民意見を募集した上で、9月議会への条例案提出を目指す。

◆「大きな一歩に」 チバニアン申請チームの菅沼悠介国立極地研究所准教授(地質学)の話

 条例案が議会を通れば、地層周辺への自由なアクセスが保証され、国際学会での3次審査に向けて大きな一歩になるだろう。(タイムリミットの)9月までに手続きを進めることができると思う。市から力強い支援をいただいた。われわれもしっかり準備したい。