「語り継ぐ」決意 東北にも活動広げ 旭農業高2年金賀沙唯さん 【3・11大震災ちば8年】

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震災を語り継ぐ決意を込めた作文を朗読した金賀さん=11日、旭市
震災を語り継ぐ決意を込めた作文を朗読した金賀さん=11日、旭市

 あの震災を忘れないための懸け橋に-。東日本大震災発生から8回目の3月11日。死者・不明者16人の甚大な被害を受けた旭市で開かれた千葉県・市合同追悼式で、地元の県立旭農業高校2年、金賀沙唯さん(17)=横芝光町=が思いを込めた作文を読み上げた。東北にも足を運び、その光景を胸に刻んできた。減災への教訓、復興へ歩みを進める被災地の姿を風化させない。語り継ぐ。参列した遺族らの前で、力強く決意した。

 震災当時、金賀さんは小学3年生。“その時”は同町の学校のグラウンドで遊んでいた。地響きと悲鳴、電話がつながらず戸惑う先生たち。迎えに来た母親の姿に、ほっとして涙が出た。

 進学先の旭農業高は震災後に、校内で育てたコメを被災者が暮らす復興住宅に届けたり、津波で空き地となった場所に植栽をしたりと、地域の復興支援に積極的に取り組んでいる。金賀さんも先輩に誘われ、入学直後から復興支援活動に参加してきた。

 被害の全容を知りたいと訪れた旭市の防災資料館。写真の海は、普段の穏やかな海とは「まったく違う、恐ろしい姿だった」。市内では14人が亡くなり、今なお2人が行方不明。あの日を忘れてはいけない。多くの人に伝えなくては。金賀さんの活動への意欲は強まった。

 昨年の夏には、活動仲間と共に宮城県石巻市、女川町を訪問。被災地の姿は強く印象に残っている。新しい街、新しい堤防、新しい学校-。裏を返せば「すべて失ってしまった世界がそこにはあった」。

 それでも、復興に向けた歩みの力強さを感じた。「東北も旭も悲しみを乗り越え、復興を続けている」。これからも被災地を訪れ、ボランティアに参加するつもりだ。

 災禍を知らない子どもが増えていく。復興支援活動に携わり、東北の姿を見てきた自分だからこそ、伝えなくては。決意を込め、作文はこう締めくくった。「あの震災を忘れないために。災害を乗り越えようとしている方々との懸け橋となるために」