日傘男子流行兆し 連日猛暑消費を“加熱” 昨夏比売上2倍超

強い日差しに日傘を差す男性ら=千葉市中央区
強い日差しに日傘を差す男性ら=千葉市中央区

 厳しい暑さが続く中、「日傘男子」が流行の兆しをみせている。近年暑さ対策として注目されつつも、女性用アイテムという印象が強かった日傘だが、熱中症患者が続出する今夏は男性用の販売数が急増。そごう千葉店(千葉市中央区)では7月、昨年比2・4倍を売り上げた。業界からは「酷暑が恥ずかしさに勝ったのでは」との声も聞かれるなど、連日の強い日差しが新たなブームに火をつけ、消費を“加熱”しているようだ。

 総務省消防庁によると、千葉県内で熱中症のため4月30日から7月29日までに救急搬送されたのは2404人で、昨シーズン(5月1日~9月30日)の2027人を既に超えた。そのうち1人死亡者が出るなど、命に関わる暑さが続いたことが、男性にも日傘を手に取らせたとみられる。県担当者は「直射日光を遮り、体感温度を3~7度下げる日傘は熱中症対策に効果的。男女関わらず外出時には使ってほしい」と呼び掛ける。

 先月23日に熊谷市で国内観測史上最高の41・1度を記録した埼玉県では昨年、県庁職員が「日傘男子広め隊」を発足し、通勤時などに日傘を活用。千葉市の公立高校2年の男子生徒(16)も「暑いし、男っぽいデザインならおしゃれでアリ」と話し、若者の間でも抵抗感が薄れているようだ。

 男性用を巡っては、環境省が2011年、クールビズと日傘の併用で熱ストレスを約20%低減できるとする調査結果を公表し、普及が必要と言及。13年には「日傘男子」が流行語大賞にノミネートされた。

 そごう千葉店の紳士雑貨売り場でも、7月の売り上げが昨年の2・4倍に急増した。女性用よりサイズが大きく、シックなデザインと色が特徴。晴雨兼用の折りたたみ式が人気で、担当者は「例年以上の猛暑や日差しに、男性でも抵抗感がなくなったのでは」と推察する。

 同店内の千葉ロフトもブームを受け、特設コーナーを展開。売れ行きは好調で、プレゼントとして買い求める女性も多いという。大勢が来店し、並べられたさまざまなデザインの傘を一つ一つ品定めしていた。担当者は「デザイン重視の女性に対して、男性は軽さなど機能重視で選ぶ傾向がある」と分析した。

 「少しずつ利用者が増えつつも、男性の『心の壁』を取り除くのが課題だった」と話すのは、普及に取り組んできた傘のネット販売店「心斎橋みや竹」(大阪市西成区)の店主宮武和広さん(59)。「今年は猛暑のせいか、例年にない売れ行きだ」と驚く。宮武さんは「日傘は『持ち運べる陰』。暑さから命を守る上、ファッションとしても楽しめる。男性にも日を遮って歩く快適さを体感してほしい」と呼び掛けている。


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