「娘戻ることない」 こみ上げる怒り、母親が意見陳述書

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 ついたての中から、娘を思い出しすすり泣く声が法廷に響いた。第7回公判から遮蔽(しゃへい)をして出廷していたリンさんの母親、グエン・ティ・グエンさん(31)。15日の第9回公判で、野原裁判長がグエンさんの意見陳述書を読み上げた。

 「愛する日本で、娘が9歳で人生を終えなければならなくなるとは思いもしませんでした」。日本での美しい未来を夢見ていた家族の幸せが一瞬で奪われた。「娘の痛ましい死について話さなければならない日が来るとは」と深い悲しみを打ち明けた。

 リンさんの遺体を引き取った時の感覚が忘れられない。「娘の冷たい手を握った私の心は、千もの針で突き刺されたようでした」。泣くことも叫ぶこともできなかった。眠りにつく度、助けを求めるリンさんの声で目覚めてしまうという。

 「私の娘に何か罪はありますか?」「どうしてあのように冷たい雨風の中に、私の娘の遺体を捨て去ったのですか?」と、あまりに悲しい最期を迎えたまな娘の姿を思い起こし、こみ上げる怒りをぶつけた。

 「たとえ犯人が数千回死んだとしても私の娘がよみがえることはありません」と憤る。ただ、他の子どもに対する犯罪の阻止のため「犯人は死刑に処されるべきです。皆さまの正義を信じています」と裁判所に厳格な刑罰を求めた。